『手のひらで
ぽつんと点に
なるみぞれ』
さびさびっ。雪が積ればまた、楽しいんだけれどもね。ネっ。
転居した家の前の田んぼに狐が死んでいて、掃除屋のカラスが3日間、数ひきでやって来ていました。
この狐、転居してから家の庭に来ていたんですよ。
センサーカメラに夜な夜な登場。
このことがあってから来ていないのでアイツに違いないと思います。
ちょぴり寂しいお話し。
…………………
コンタロウは夜になると、食べものを捜しに森から出て来ます。
森の入口で人間に出逢うと『何か!』見たいな顔をして、それからまた、森に戻ります。
夕方は、いつもひとりでリンゴ畑などで遊んでいましたが、だんだん食べるものが少なくなってきました。
ある夜、他の所へ行って食べものを捜そうと、初めて広い道路を渡ろうとしました。
ところが、思ったより速い人間の乗る黒い鉄の固まりに、お尻を当てられてしまい、後ろ足の付け根から折られてしまいました。
苦しい…、う〜、苦しい。
水を飲もうと後ろ足を引きずり前足だけで、頑張って田んぼの回りの小さな川までやって来ました。
が、だんだんだんだん気が遠くなって…、『コンタロウ〜』母の声が聞こえたような気がしました。『おかあ・さ・ん』と、つぶやきました。
そしてとうとう息が絶えてしまいました。
翌日、朝日が当たり始めるとカラスがやって来ました。
また、次の日もカラスたちがやって来ました。
次の日は冷たい雨が降ったのでカラスは来ません。コンタロウのしっぽの毛は雨に濡れてもしっかりとふわふわしていました。
コンタロウはカラスの家族の食事になって、天国のお母さんのところへ行ってしまったんでしょうか?。
それとも大地に戻ったのかな??。
やがて大地には雪が舞い降り始めました。
(ふろく)
『コンタロウっ、また、生まれ変わって来るのかい!?』
『コーン!』
おしまい
…………………
写真を撮りましたが、写真を出すのは止めにします。
目須田修