新年早々に東京の身内から荷物が届いた。暮れにもお正月用にとおかざりさん(鏡餅のことで田舎ではこう呼ぶ)とミカンとお節料理が届いたのに…。有難いことです。開けてみると、お餅と野菜とオニグルミがたくさん入っている。クルミは、今はお菓子などには品種改良されて空を割りやすいカシグルミ(田舎では、こう呼んでいるが植物図鑑にはテウチグルミと書いてある)を使うことの方が多い。これはもう『お雑煮をどうぞ!』と言っていることが分かる。信州の田舎ではお椀によそった雑煮に、このクルミを摺って砂糖とだし汁を加えて、とろっとさせたタレをかけていただく。
〈ここで新聞にあった餅のお話を〉
◎「雑煮」室町時代の料理書にすでに雑煮の記述があって、江戸時代に庶民の間にも広がった。
◎「形・丸と角」丸餅の歴史の方が歴史が古く、西日本ではその習慣が残っている。東日本では武士の陣中食として運びやすかった角餅が一般的になった。
◎「効能」正月は一番寒い時期。雑煮は冷えを防ぎ、お腹の調子を整える、明治時代には"保臓"(ほぞう)と呼ばれていた。
◎「縁起もの」京都の雑煮は「丸餅、頭イモ、白みそ」が欠かせない。頭イモは里芋(田舎ではハイモ・葉芋と言う)の親イモ。「里芋は子イモ、孫イモと一年で三代も作ってしまう凄いヤツなんだ」(金子伊作さんの話)。丸餅のほか大根もニンジンも輪で「輪(和)は切らないこと」が京都の流儀。新潟市、村上市など下越の雑煮には鮭とイクラがたっぷり入っている。(そうそう、村上市で鮭が川を上って来るのを取材して、料亭で鮭づくしをいただいたのを思い出した)。「皆さま、本年もよろしくお願い致します」お餅で力をつけて、インフルエンザにやられないようにしてください。また、明るい雪の森を歩くツアーにもどうぞ!・MESUDA